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2018.9.18
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ADFESTでシルバーを含む複数の賞を獲得! ADK台湾制作の「RHYTHM OF LOVE WALL(愛的鼓勵)」に迫る
#Column
ADFEST2018にて、インタラクティブロータスでシルバー1つと、デザイン、フィルム、ダイレクト、アウトドア、メディアロータスでブロンズ5つを獲得した「RHYTHM OF LOVE WALL(愛的鼓勵)」。台湾の7-ELEVEN主要店舗で2ヶ月間実施されたCSRキャンペーンです。
通常はただ置いてあるだけの募金箱にインタラクション性を付加し、店頭の募金箱にお金を入れるたび、人の手の形をしたマシンが多種多様なバリエーションの拍手をしてくれる、というもの。実際の動画を見てみると、拍手から始まり、24組の手が見事にシンクロして楽しいリズムを刻んでくれる、とてもユニークな施策となっています。
台湾では、多くの企業のCSR展開は媒体社(メディア)に直接発注される形が多く、予算をかけクリエテイブ表現まですることはほとんどないので、世に反響を引き起こすことが難しいのが現状とのこと。ADK台湾では、7-ELEVEN のCSR活動を、どうすればユニーク且つ人を巻き込める体験として世に拡散できるのかと考えました。
そんな中発見した大きなポイントは「コンビニは、最も細かいつり銭が出やすい場であること」。数あるコンビニチェーン店の中でも台湾最多店舗数を誇る7-ELEVENの強みを活かし、発生する細かいつり銭をスムーズに非営利団体への寄付へと導けないか。そこから「RHYTHM OF LOVE WALL(愛的鼓勵)」のアイデアが誕生しました。
寄付した人にその場で感謝の気持ちを伝えられる同時に、良いことをした人に対して拍手喝采を送ることで喜んでもらい、もっともっと寄付したいという気持ちになってもらおう!というのがこの作品の狙い。
使われた“手”はすべて手作りで、アルミニウム合金をベースにシリコンを注ぎ、20万回以上の拍手テストを経て完成しました。このアイデアのベースには「どんなに小額の寄付であっても、心をこめたエール(本物の拍手)に値する」という考えがあり、誠意を込めて感謝を伝えたいという想いから、効果音を一切使わずに本物の拍手と同じような音を再現しています。
また、特設モバイルサイトでは、画面をタップするだけでオリジナルのリズムを簡単に作ることができるコンテンツを実施。他のユーザーが作ったリズムを聞いたり、自分の作ったリズムをSNSで共有することもできる。さらに、サイトで作られたリズムは店舗に設置されているマシンにも送られ、実際に寄付した人へも届くような仕組みになっています。
ADK台湾 Chief Creative Officer リチャード・ユウ コメント
この数年、セブンイレブンは店頭募金に力を入れ、レジ横にお釣りを手軽に入れられるように
募金ボックスの設置を試みたりしたが、それはあまりにも普通でなかなか若者たちの目に届きませんでした。店頭で「募金する」ことによって瞬時に体験できる「目に見える称賛」の拍手は、彼らの興味をとらえることに成功しました。
今回の施策はADK台湾とPARTYとが提携、また、東京のBYE BYE WORLDと3社の力を合わせて作り出したものです。
まるで本当に拍手喝さいを受けているかのようなリアリティのある拍手音と拍手の手が開発できたことをとてもうれしく思っています。
この作品はD&AD、CLIO、ONE SHOW 、NYF、ADFEST & AD STARSなど、国際広告賞から数々の受賞をいただきました。
今回のクリエイティブ制作過程は、私自身はもちろん、チームに様々な啓発をもたらしました。
変化が激しい時代に、違う領域のプロたちと提携し、一緒にチャレンジしてより多様でイノベーティブな作品をこれからも創っていけるように頑張りたいと思います。