ADKホールディングス
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2010.9.29
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アサツー ディ・ケイと大日本印刷 『脳活プロジェクト』を発足
#事業・サービス #経営・組織
アサツー ディ・ケイ(本社:東京 社長:清水與二 資本金:375億円 以下:ADK)と大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は共同で、ニューロマーケティングを活用した新たな広告手法の共同開発プロジェクト『脳活プロジェクト』を本年9月29日に立ち上げました。
【『脳活プロジェクト』発足の目的】
コミュニケーションの多様化とともに、マスからパーソナルへの展開など広告ビジネスも新たな局面を迎えており、生活者に対する、より効果的な広告のアプローチ手法が求められてきています。特に、広告表現およびメディア開発において、「生活者の心理をより的確に掴むこと」がコミュニケーション戦略上、極めて重要なポイントになっています。これまで、生活者の本音や本質的な欲求などの心理を捉える手法として、記述式のアンケート調査やグループインタビューなどが用いられてきました。しかし、これらの手法は、見栄やプライド、横並び意識、道徳的配慮といった「意識のコントロール」によって、生活者の心理をリアルに捉えきれないという課題がありました。
今回、ADKとDNPの両社は、相互の持つ強みを組み合わせることで、ニューロマーケティングを活用した広告ビジネスにおける新たなマーケティングアプローチを構築すべく、『脳活プロジェクト』を立ち上げました。
【『脳活プロジェクト』の概要】
『脳活プロジェクト』は、”脳科学を応用したさまざまな広告・コミュニケーションの活性化”を目指します。本プロジェクトは、さまざまな広告の企画制作を通じて生活者の知見を収集してきたADKと、ニューロマーケティングを活用したリサーチ事業を展開するDNPが主体となり進めていきます。また、監修として、脳科学の見地から、生活者の興味度などを分析するシステムを、DNPと共同研究している東京農工大学の満倉研究室(准教授:満倉靖恵)が参加します。
今回のプロジェクトでは、DNPと満倉研究室が共同開発したヘアバンドタイプの脳波計を用いる分析システム(*)を利用し、ADKが特に強みをもつ「金融」、「健康・美容」の2分野にフォーカスを当て、実際のマーケティングや広告企画の開発に活用できる仕組みを構築します。
【取り組み内容】
ADKとDNPは、10月よりさまざまな実証実験を実施します。その実験結果をもとに、具体的かつ実用的な調査手法を構築し、これまでの視点とは異なった新たな広告・販促ツールの開発に反映させていきます。
■ 実証実験について(予定)
基本的な実験方法は、「金融」や「健康・美容」に関するキーワードや簡単な質問、実際の広告表現を提示してその反応などを調査します。記述式のアンケート調査などの内容と脳波測定結果と照合し、生活者の心理を探求します。2010年10月~12月に、延べ120人名程度を対象として、下記3テーマでの実験を行う計画です。
- 基本的な意識・価値観に関する実験
内容:「金融」および「健康・美容」に関する、潜在的な意識・価値観を抽出。 - コンセプトや広告表現に関する実験
内容:上記テーマに関して、より効果的なコミュニケーション・ファクターを探索。 - 記述式アンケートとニューロマーケティングとの格差(ギャップ)要因抽出に関する実験
内容:上記テーマに関して、顕在意識と潜在意識との格差(ギャップ)を生み出す因子を抽出
※上記以外にも各テーマに沿った実証実験を検討・実施していきます。
【今後について】
本年12月頃より、実証実験に関するレポートを順次発表します。今後、ADKとDNPは実証実験の結果を反映してニューロマーケティングを活用した調査手法を構築するとともに、来年春頃までに、ニューロマーケティングによる広告サービスの提供を開始する予定です。
-以 上-
(*)ヘアバンドタイプの脳波計を装着した生活者に、雑誌、カタログ、パンフレットなどの冊子を閲覧してもらい、脳波を測定します。冊子の見開きページごとに貼られたマーカーをカメラで撮影し、各ページの閲覧時間のデータを取得して脳波の測定データと照合することで、各ページの興味関心度の高さと推移を分析します。また、閲覧した冊子に対するアンケート調査結果と比較することで、”アンケートで関心があると言っていたページ以上に関心を持って見ていたページがあった”、”長時間見ていたが、それほど関心は高くなかった”など、生活者の興味関心をより多面的に深く把握することができます。
(参照ニュースリリース : http://www.dnp.co.jp/news/1213151_2482.html )